どぶろぐ。

セミエレジー Side:B

私の名は、ミスター・スカイウォーカー。
空を自由に駆け、愛を謳う者。

幼い頃、私は暗黒の世界で眠るように過ごしていた。
窮屈なその場所から、一刻も早く抜け出したかったが、
小さすぎた私はジッと力を蓄えることしか出来なかった。

そして何度目かの夏が巡ってきたとき、
チャンスは訪れた。

私にまとわりつく、黒いものを押しのけ、
初めて見た光の世界は何もかもが、まぶしく煌いていた。

ここを登りきれば、願うが叶う。
夢にまでみた、メタモルフォーゼ。

あ!

安堵した刹那、
私の身体は突風にあおられ落下し、
背中に強い衝撃を覚えた。

神の悪戯か、それとも悪魔のため息か。

目の前にあったはずの、成功という果実は遥か遠くへ、
もう、起き上がることさえ出来ない。

・・・終わった。

私の腕はむなしく空へ突き出されたまま、
虚をつかもうとじたばたと動くだけ。

ふわり。

諦めかけた時、私の身体が宙を舞った!

男は私がかつて目指したその場所へ再び私を導いた。
その男に助けられ、私はこうして、
空を自由に駆け巡る存在へと変化できた。

ある日、私がいつものように愛を謳っていると、
声が聞こえてきた。

「このまえ、すもさんが助けたジタバタ幼虫さんな、ちゃんと蝉になれたかな?」
「木にもどしといたから、大丈夫やろ。」
「あの子の名前な、さかさま太郎かミスター・スカイウォーカーどっちがいいと思う?」
「うーん・・・、ミスター・スカイウォーカー。」

おお、喜びのあまりすっかり忘れていたあの男だ。
お礼に一曲歌ってやろう。
本来、私の歌は女性のみに送られるものだ、きっと感謝するだろう。

しかし、男は私の歌に気づくことなく去ってしまった。

・・・無視か?

いや、周りの喧騒にかき消されてしまっては仕方あるまい。

考えた私は仲間たちの歌声に邪魔されない時間に、
私のすばらしい歌を、もう一度聴かせてやった。
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by hakoiri_musume | 2007-08-09 17:09 | どびんのひとりごと

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