どぶろぐ。

妄想バス

仕事の納品先は、住宅街にあって、
いつも、最寄り駅から路線バスに乗っていく。

生活に密着した、ごくごく普通の路線バスで、
近隣に観光地もなく、ほとんどの乗客は地元の人だと思う。

そんなバスに、突然フランス人の団体が乗り込んできた。

キレイな女の子や青年、年配のご婦人もいた。

こんなにたくさんの生フランス人を
いっぺんに見たのは多分初めてだと思う。

その時、私はたまたま二人掛けのシートの通路側に座っていたのだが、
人が乗って来たので、いつまでも通路側に居られず、窓側に移動した。

隣は空席。

団体さんの中の1人が私の隣に腰掛けた。
空席なんだから、座るのは当然だ。ああ当然だ。

栗色の髪のきれいな二十歳前後の女の子で、
長い髪には軽いウェーブがかかっていた。
いまどきのおしゃれな女の子らしく、
Tシャツとローウエストのパンツの間からチラリと白い腰がのぞいていた。
珍しそうに車内を眺めたり、仲間たちと談笑したり、
とてもリラックスしているようだった。

「私が彼女より、早くバスを降りる時は、何て言えばいいんだろう。」

「ちょっと、ごめんなさい、そこを通してください。」
これが、わからない。

フランス人は気位が高く、英語を知っていても、
わざと使わないとか、聞いたことがあるし、
英語で話しかけて「ケッ。」って思われたら癪だなぁ、
ドイツ語なら、学生の時習っていたし、
いっそ、そっちで言ってみるか、なんて考えていた。

フランス人にドイツ語で話しかける愚行に気づかない私は
早速心の中で、言葉を組み立てようと試みた。
ええっと・・・イッヒ・・・イッヒイッヒッヒ・・・・・・ってわかるわけないがな!

思い出したのは、ミュンヘンとかビアーとか、地名と単語2個くらいと、
うまそうに黒ビールを飲むクラウディア・シュミット(教科書の登場人物・
日本で言うところの山田花子や田中一郎みたいなよくある名前らしい。)
に触発されて、授業の後、友達と黒ビールを求めて彷徨ったことだけだった。

あの頃は若かった、と少々甘酸っぱい気持ちがよみがえる。

素直に日本語で言おう。

チョンチョンと肩を叩いて、立ち上がったら、
普通、誰でもわかるだろう。そうだ、それで十分じゃないか。

考えている間にも、バスは進む。
私の降りるバス停が、一つずつ近づいてくる。

すると、にわかにフランス人たちがザワつきだした。
乗り込んできたときは気がつかなかったが、
どうやら、日本人の引率者がいるようだった。

変に少女趣味の30代後半とみられる引率者は、
彼らに、英語でなにやら話しかけていた。

英語や、バリバリ英語やん。
三村マサカズさん風に言うなら、英語かよ!英語もアリかよっ!

そしてバスが次の停留場に着くと、
フランス人たちは、モタモタしながら、降りていった。

私が降りる二つ手前で。
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by hakoiri_musume | 2006-11-09 20:04 | どびんのひとりごと

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