どぶろぐ。

働き蜂の憂鬱 その5

働き蜂の憂鬱その1その2その3その4

ガチャリ、とドアを開け、私はひょこっと顔だけ出した。
なんだかんだ言って、蜂が怖くなっていたのだ。
さすが私、小心者である。

「こんにちは~、市役所のものです~。」

電話口の人物とはうって変わって、
物腰の柔らかい、好人物が立っていた。

「蜂の巣はどこでしょうか?」
「それです。」
と、私が指差した先には蜂の巣。
巣と市役所の人との距離は約80cm。
「あ~、これならすぐ終わりますよ。」
全然ビビッてない。

なんだよ、頼りになるじゃないかよ、市役所め。

しばしの沈黙。

「あの、そいで私どうしたらいいですかね?」
立ち会え、とか言われたら即 断るつもりで言った。

「あ、駆除したら、僕ら勝手に帰りますから。」
「あ、サインとかいらないんですか。」
「ええ。」
「ほんなら、お手数ですけど、よろしくお願いします。」

さすが市役所アバウトである。

しばらく経つと、ドアの向こうから物音がしなくなったので、
ドアをゆっくり開けて、そーっとのぞいてみた。

ない。

バタバタとしたわりにあっけない幕切れだ、と思いながら、
ドアを閉めようとした、刹那。

ブゥン!

耳元に大きな羽音が響いた。

蜂だ。1匹残っていたんだ。

巣をなくした蜂は、これから どうやって生きていくんだろう。

人間の勝手な都合で、家と家族を失った彼に暫し思いを馳せた。


おしまい。
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by hakoiri_musume | 2006-07-02 02:48 | どびんのひとりごと

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